2010年最後の更新となりました。
今年も多くの方々にアクセスしていただきました。ありがとうございました。
今年最後の「今週のオススメ」は、小惑星探査機「
はやぶさ」でも大いに注目された
宇宙の謎解きに迫る「
図解入門 よくわかる 最新宇宙論の基本と仕組み[第2版]」です。
書籍のご紹介の前に、小惑星探査機「はやぶさ」を打ち上げたJAXAの見学施設が明日、閉館されファイナルイベントが行われますので、ご紹介いたします。
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の情報センター「
JAXA i」が、明日12/28(火)をもって残念ながら閉館されます。東京駅の丸の内オアゾにあり、これまで地球の映像やロケットエンジンなど展示していました。
最終日の 12/28(火) に
ファイナルイベントが開催されます。
イベントの詳細は公式サイト
JAXA|情報センターJAXA i でご確認ください。
一部イベントは、
http://www.yac-j.or.jp/tv/ からインターネット配信もされるそうなので、興味はあるものの現地にいけない人も参照してみてはいかがでしょうか。
今週オススメする「
図解入門 よくわかる 最新宇宙論の基本と仕組み[第2版]」は、科学作家・竹内薫氏による
宇宙論の入門書です。
「
宇宙論」とは、なんでしょうか? 本書によると・・・
宇宙論とは
さて、その宇宙について論ずる宇宙論とはなにか?
それは内容面からいうと、
「宇宙の考古学と歴史学と経済学と未来学を一緒にしたもの」
となるだろう。
また、研究で使われる道具という側面からは、
「物理学と数学と天文学の成果を駆使して研究がおこなわれる」
ということができる。
たとえば、宇宙の太古の残光である宇宙背景放射は宇宙の「考古学」そのものであり、宇宙全体のエネルギー収支は「経済学」であり、インフレーションによって宇宙が爆発的に成長したのも経済学といえるだろう。そして、宇宙の膨張がこれからも続くのか、それとも、いつか膨張は止まって収縮に転ずるのか、といった宇宙の運命は「未来学」に属する問題だ。
(以上、本書のP.13から引用)
ということで、本書でも宇宙について幅広く取り上げ、本書には宇宙に関する情報が、天文学の「古典」から最先端の宇宙開発のトピックまで欲張って盛り込まれています。
わかりやすく読みやすい文章で、宇宙137億年を旅し、宇宙のナゾに迫る一冊です!
最後に、本書より著者の竹内薫氏による前書きをご紹介します。
はじめに
われわれが棲んでいる宇宙について、新たな「事実」がしだいに明らかとなりつつある。こんなにワクワクドキドキすることがあるだろうか。
宇宙論研究は20世紀末を境にして驚異的な進歩を遂げた。
それまでは、無数の仮説と哲学的な議論が行き交い、とても精密科学とは呼べないような状態が続いていた。宇宙論の第一人者であったスティーブン・ホーキングは、そのような宇宙論の状況を「疑似科学」と自己卑下してみせたものだ。
ところが、2000年前後に行なわれた数々の天文観測により、宇宙論は、一気に精密科学の領域へと足を踏み入れた。ハッブル宇宙望遠鏡による50億年前の超新星の観測、WMAP衛星による137億年前の宇宙の彼方からの残光の観測――。そういった精密観測が多くなされ、宇宙論の仮説は次々と淘汰され、ごく少数の「現実」と合うモデルに絞られてきた。
精密観測は、しかし、新たな問題も引き起こした。われわれは、これまで、宇宙をつくっている「成分」について、あまりよく知らなかったが、最近の天文観測は、実に宇宙の96%までが謎の成分からできていることを明らかにしたのだ。
運動選手と一緒で、どんな学問にも大活躍する時期とスランプに落ち込む時期がある。宇宙論は、今、世界中の脚光を浴びてスタジアムを席巻中なのである。
本書は、私としては初めて、「ビジュアル」を全面に打ち出しての科学本の仕事となった。ホーキングや超ひも理論といった純粋な仮説の領域から、WMAPを中心とする精密天文観測、さらにはアインシュタインやニュートンやコペルニクスといった過去の歴史まで、かなり欲張って詰め込んでみた。
あくまでビジュアルでわかりやすく......でも単なる「お話」ではなく、実があるものを読者にお届けできるよう努力したつもりだ。
この改訂新版では、事実関係のアップデートのほか、第9章として日本の宇宙開発に的を絞ってご紹介することにした。国民の感動を呼んだ小惑星探査機「はやぶさ」のほかにも、日本の宇宙探査は世界最高レベルのものが多い。アメリカのNASAの10分の1という低予算で、なぜ、ここまでがんばれるのだろう。国民一丸となって、日本の宇宙開発を応援したいものである。
エキサイティングでスリリングな現代宇宙論の世界へようこそ!
2010年12月
横浜ランドマークタワーの見える仕事場にて
竹内薫
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