『乃木坂あたり』 第5回 静寂の地「明治神宮」

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昼のウォーキングタイムで毎週、欠かさずに訪れる場所。それが明治神宮です。 さすがに乃木坂から歩いて明治神宮まで行くと、入口まで到達した時点でもどってこなければならなくなるので、明治神宮前駅(原宿)までは地下鉄を利用しています。

毎年、初詣客ナンバーワンを誇る人気スポットだけに平日でも参詣者、観光客が途切れることはありません。特に最近では中国からの団体観光客と思しき人々をよく目にします。

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原宿側から参詣する場合、一般には大鳥居をくぐってメインの参道を進みますが、こちらはあまり時間に余裕もないので、玉砂利の敷き詰められた歩きにくい参道ではなく、参道左手側、代々木公園との堺に伸びる境内整備用車両が通る舗装路を利用します。参道右手側にも舗装路はありますが、こちらは観光バスやタクシーも通過するため、交通量が多いのと、すぐそばを走る山手線の音が騒々しいのでほとんど利用することはありません。
ルートラボによる参詣ルート
▲明治神宮駅(原宿駅)から客殿でお参りして裏の広場を通過して戻ってくると約3kmのコースとなる。
神宮の遊歩道の写真
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▲明治神宮とお隣の代々木公園の間に伸びる遊歩道。本来は境内の管理用車両が走る舗装路だが、ほとんど車とすれ違うことはない。

豊かな緑と清浄な環境が最大の魅力

さて、明治神宮の魅力は都会にあるとは思えない豊かな緑の多さと静けさ、そして清浄さにあると思います。

まず、緑ですが、明治神宮の杜は元からあったものではなく、ほとんど荒れ地や畑であったものを100年後の姿を想定しながら365種、10万本を超える植樹によって人工的に作られたものです(人工的に作られたといっても、結局、適者生存という自然の掟にしたがって歴史を重ねていくため、現在では240種ほどの樹木となっているといいます)。


大きな地図で見る
▲Google Mapによる明治神宮の航空写真。この木々は多くのボランティアの人々によって植えられたもの。

この豊富な木々は豊かな自然ももたらします。カラスが多いとはいえ、ほかにもさまざまな鳥を見ることができます。ときにはコゲラの奏でるドラミングの音が心地よく響くこともあります。

コゲラの写真
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▲日本にいるキツツキの仲間では最小で大きさ的にはスズメと変わらない。都会の公園にも進出してきて、注意して見ていると木の幹をすばしっこく移動するコゲラを目にする。

カラスは街のゴミをあさったり、巣作りをするころには人を襲ったりと街の悪者扱いですが、明治神宮では、積もった枯葉のなかにくちばしを差し込んで餌探しをする本来の野生のカラスの生態を見ることができます。


▲嫌われ者のカラスですが、よくよく観察していると実に面白く、かわいい鳥であることがわかります。黒一色で大きいから不気味に思われるのかもしれませんが、もっとよく知ってみれば見方も変わるはずです。
鳥以外でも野ネズミや蛇を見つけたこともありますし、暖かくなってくればさまざまなゾウムシや黄金虫が地面を歩き回っています。夏ともなれば何種類もの蝉しぐれのシャワーが頭上から降り注いできます。

意外と知られていないのは本殿裏手にある宝物殿前の広場です。きれいに手入れされた芝が広がり、ところどころに大きな木々が木陰を作り、平日でものんびり昼寝をしている人を見かけます。その風景はまさに浮世離れした静けさに包まれていて、ここが原宿や代々木のすぐそばであることを忘れさせます。

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▲天気の良い日などは広い芝のあちこちで思い思いの姿でくつろぐ人々を目にします。もちろん、公園ではありませんので、フリスビーなどの遊びやスポーツは厳禁。

ここは風景がよくくつろげる場所ではありますが、公園ではありませんので、境内でのスポーツなどは禁止されています。また、犬の散歩もできませんし、喫煙もごく限られた一部でしか認められていません。そのため、これだけの広い敷地でありながら、ゴミなどが落ちていることを目にすることはまったくといっていいほどありません。
地面に埋まったどんぐりの写真
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▲しょっちゅう歩き回っていると変なものがみつかることもあります。これは道路の真ん中の穴に埋め込まれたドングリ。さすがにリスはみたことがなく、誰が犯人やらいまだに不思議。

「ああ、日本人でよかった」が味わえる

毎週のように足を運んでいると、さまざまなイベントや展示物に出会うこともあります。

有名無名を問わず、善男善女の結婚式はしょっちゅうみかけます。白無垢姿で静々と神前へ歩む花嫁姿はやはりジャパンビューティフルの代表ですから、海外の観光客からはさかんにフラッシュをたかれることになります。
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偶然、朝青竜と白鳳の奉納土俵入りを目撃したこともあります。
この日を心待ちにしていた大勢のファンの前に最初に現れたのは朝青竜でした。目前で見た朝青竜は背はあまり高くはないのですが、肩から腕、太ももなど、まさにモンゴル大地思わせるような見事な筋肉の盛り上がるをみせていました。
一方、東の横綱として後から登場した白鳳は体つきなどの見た目こそ朝青龍には劣るものの、神前での土俵入りらしく、落ち着きと威厳に満ちた態度を終始崩しませんでした。今は一人横綱として他の力士を寄せ付けない強さを発揮していますが、その活躍も大いに納得できる風格の持ち主であると思いました。
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土俵入りの行われる客殿前では、収穫の秋ともなれば、日本各地の名産品が一堂に展示されますし、見事に仕立てられた菊を観賞することもできます。季節に応じてさまざまな華道の流派によって活けられた花も見事ですし、盆栽や菊花石などの観賞石の名物が並ぶこともあります。

日本文化の精粋をこんなに身近に、しかも"ただ"で楽しむことができるわけですから、明治神宮はまさに「日本人でよかった」が気軽に味わえる場所といえるのではないでしょうか。

人気のパワースポットへ

明治神宮にある菖蒲園(入園有料)内に加藤清正が自ら掘ったといわれる井戸「清正井」があります。これが最近、「パワースポット」とされているらしく、たいへんな人気になっているようです。なんでも、「井戸の写真を携帯電話の待ち受け画面にすると運気が上がる」とのこと。このためか、大勢の人が押しかけ、現在は、「清正井」を拝観するには当日発行の整理券が必要になっています。

Googleで検索をするとき、入力した単語に引き続いて検索数の多い「予測ワード」が表示されますが、「明治神宮」と入力すると、まず真っ先に表示された予測ワードが「パワースポット」、次いで「清正井」となっていました。

あらためていろいろな楽しみ方が明治神宮にはあるものだと教えられた次第です。

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