第2回目の今回は、乃木坂周辺の食について。というより、正確にはラーメン屋についてです。
第1回目のときにお話ししたように、昼休み時は常にあるテーマをもって歩き回るようにしています。今回は「周辺ラーメン店の食べ歩きで完全制覇を狙う」の結果報告についてお話しさせていただきます。
当社のある乃木坂駅の周辺には実はあまり飲食店は多くなく、必然的に六本木の交差点方面を目指していくか、青山一丁目駅方向へ流れるパターンが多くなります。
雨の日などはぬれて歩くのが嫌なので、目の前の駅から地下鉄に乗り、隣駅の赤坂や表参道でランチタイムを過ごすこともあります。

この一帯はとにかく繁華街ですので、ブームに乗ってラーメン専門店も数多くあります。会社から六本木方面へ行くと、ドラム缶の看板で有名な店、テレビ番組のラーメン大会で優勝したチャンピオンが経営する店のほか、これらに対抗する新興チェーン店、安さを売りにするラーメン店など、多くの店が軒を連ねます。
西麻布交差点付近まで足をのばせば、東京ではじめて開店したという豚骨ラーメンの店もあるし、そこから裏に回って星条旗新聞社方向へ行くと、先のチャンピオンが新機軸で開店した焦がしラーメンの店もあります。
昼のウォーキングを兼ねて各店を歩き回るうち、俄然、ラーメン店制覇意欲に火がつき、北は国立競技場界隈、南は麻布十番付近まで足をのばし、ついには「歩く」目的を忘れて電車に乗り、原宿、渋谷、表参道、赤坂、溜池山王、日比谷、銀座界隈まで、昼休みの時間内で往復できる範囲にある名だたる店には顔を出す、という試みを決行しました。その結果、気づいたことをまとめてみると...。
(1) ラーメンの味に貴賎なし
正直、どこの店がおすすめ、とは言いづらいです。「この味はあわない」というのはその日の体調も含めてあるとは思いますが、やはりラーメンはおいしいです。麺が太くても細くても、ちぢれていても、ストレートでも、スープが透明のも、濁っているのも、みんなおいしい。
(2) 確実に体重は増える
注文してから食べ終わるまでに20分。残り40分歩いても、とても摂取カロリーは消費できません。ちなみに、注文は常に「大盛り」。替え玉式の場合は2玉は追加。カロリーばっちりです。ラーメンのせいというより、オレのせい?
(3) 専門店は高い?
場所柄もあるでしょうが、大盛りで注文すると1000円がふっとぶようなラーメンもあります。「安い、早い、うまい」のファーストフードの王道にあるはずの食べ物としてはちょっといかがなものかと、と思える店もあります。
(4) 調理スキルが低い?
セルフサービス、入れ放題といっても、これはちょっと、と思えるような刻みネギが供されるお店があります。「小学生の家庭科の授業じゃないんだから」と声には出さずに忍んで舌打ちします。名店であろうが、味がどうであろうが、客をぞんざいに扱っているようで不愉快になります。そうした店には二度といきません。
逆に、見事な白髪ねぎが乗ったラーメンを出す店もありました。もともと近所の小料理屋さんの隠しメニューとしてあったラーメンを出す店として開店したため、厨房にいる板さん(と呼びたくなるような料理人)の包丁さばきも見事でした。開店直後から、ちょくちょく足を運びましたが、周辺の再開発で今は建物ごとなくなりました。
(5) 店の新陳代謝が激しい
しばらくぶりに訪ねてみると経営者(経営母体)が変わって別メニューになっていた、あるいは店が無くなっていた、建物そのものがなくなっていた、ということに出くわします。ラーメン屋に限らず、街の新陳代謝が激しいこの辺では珍しい光景ではありませんが、チェーン店などの場合、つくる人もころころ変わるようなので、味が一定していないように思えます。このへんにもラーメン店をひとにおすすめしづらい点があります。


(6) 汗と鼻水にまみれて
汗っかきです。よほど寒い冬でもなければ、ちょっとウォーキングすればシャツは汗まみれになります。ラーメンを食べて汗をかき、そのまま歩くと、会社に帰ってからひさんな状態になります。シャツだけでなく、パンツまで着替えを用意しています。あとハンカチは用をなさないので、ハンドタオル数枚、鼻水対策用としてポケットティッシュ2パックは必携。
さて、長い(不)完全制覇の旅を振り返って思うことは、旧に復す、というか、やはり子供時代の食生活の影響を思うのです。
東京の下町育ちですから、チャーハン、中華丼、カレーライスに焼売、餃子、レバニラ炒め、とにかくなんでも出す小さな中華屋さんがあちこちにあり、そこで食べたラーメンやタンメン、ワンタンメンがやはり原風景になるようです。
また、あんみつやところてん、夏にはかき氷を出し、店先ではお団子を売っているような町のお菓子屋さん(甘味処)でおやつ代わりに食べていた小ぶりのラーメンも同様です。
薄いスープにちぢれた麺、海苔とナルト各1枚にメンマ数本、申し訳程度の焼き豚になぜかホウレンソウという取り合わせ。テーブル胡椒をかけすぎて咳込みながらすすったラーメンがやっぱり何よりのごちそうですし、今にして思えば、それに近いイメージの再現をどこか心待ちにしながらラーメン屋探しをしていたような気もします。
結局、幸せの青い鳥探しではありませんが、ごくふつうにある店のごく普通のラーメンで自分は十分に満足できる人間だった、ということを発見する旅であったようです。