iPhone OSは、美しいグラフィックスとマルチタッチインターフェイスを融合した、見た目もコンセプトも新しいOSです。
そのiPhone OS用アプリケーションを開発するためのキットが、iPhone SDK (iPhone Software Development)です。
本書をChapter 1から順に読み進めた方は、Cocoaアプリケーションの開発を経て、ようやくiPhone OSにたどり着いたと感じるでしょう。
早くiPhoneアプリケーションを作ってみたい方は、今までの過程が遠回りと感じるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
iPhone SDKはCocoaの基盤技術をベースにしており、これまで学んできた知識の多くを生かすことができます。
筆者の経験では、使用するクラスにもよりますが、7割~8割程度のプログラムがそのまま利用できると感じています。
今までの学習成果が、iPhoneアプリケーションの開発に大きく生かされることでしょう。
このChapterではChapter 10で完成させた神経衰弱ゲームを、iPhone OSに対応したプログラムとして移植する過程で、iPhone SDKの基本的な知識を解説します。
●ビルドと実行
プロジェクトウインドウのツールバーにある「ビルドと進行」ボタンを押すか、ビルドメニューから「ビルドと実行」を選択するとコンパイルが始まります。
その結果、エラー等の問題がなければ「iPhone Simulator」が起動します。
▼図
iPhone Simulatorにビルドしたアプリケーションをインストールするまでに少し時間がかかりますが、終わり次第アプリケーションが起動します。
▼図
CocoaアプリケーションのMatchGameとほぼ同じ内容のゲームが楽しめます。カードをめくるには、スクリーン上をタップします。カードがビューの左上基点で表示されていますが、これはCocoa TouchではY方向の座標がCocoaとは逆になっているためです。
また、iPhoneにはメニューバーがないので、ゲームのリセットはResetボタンをタップしておこないます。アプリケーションが終了させるには、iPhone Simulatorの下部にあるホームボタンを押します。
ホーム画面に戻ると、TouchGameにアイコンが付いていることを確認できます。アイコンをクリックすると、TouchGameが再び起動します。
▼図
著者の中野洋一氏より読者の皆様へ
筆者が定期開催しているセミナーをベースにした、Cocoaプログラミングの入門書です。神経衰弱ゲームをテーマとした、楽しみながら学習できるような実習プログラムで解説しています。
iPhoneアプリ開発へのアプローチとなるよう、Cocoaの基礎知識で足固めをすることも本書のねらいです。